Togetterの広告に出ててタイトルが気になったのでKindleで購入してサクッと30分くらいで読みました。
コモディティ化した腕時計をどうやって売ればいいのかをマーケティングのスペシャリストである岸さんが新人にアドバイスしてくれるという構成の漫画。
- 腕時計のモノはいい、だが残念ながらそれだけだ。平凡で持つ理由がない
- マーケティングは「頑張らなくても売れる方法」
- どんな腕時計でも時刻を知ることができる、スマホや百均の腕時計で十分
- 腕時計はオワコン=すべての商品はコモディティ化する=レッドオーシャン
- 売れている時計もある
- ジョギング専用ウォッチ
- GPSソーラー腕時計
- お客さんがお金を出す理由を新しく作り出す(新たな付加価値=新市場=ブルーオーシャン)
- 自社が提供できるもの、お客さんが欲しいもの、ライバルが提供できないもののベン図が「買う理由」であり絶対条件
- 牛丼業界の「うまい、安い、早い」がコモディティ化した結果安売り合戦、低価格食材になり巡り巡って消費者が損する
- ブルーオーシャン
- ターゲットを絞り、何を減らし、何を増やすか?新市場を創出する
- 吉野家のからあげ丼、松屋のシュクメルリ定食、ミエロニィハンバーグ
- バリュープロポジション=ベン図=買う理由
- 昔はいいものを作ればそれなりに売れていた
- いまはお客さんが本気で「欲しい」と思ってくれないと絶対に売れない
- 徹底的にお客さんの立場で考え抜く
- 購入者の認知的不協和(いろんな商品があるなかで高いカネ出して買ったけど本当にこれでよかったんだよね?)
- 提供者はよい商品であるというメッセージを出し続けて不安を解消して満足度を高めなければならない
- Appleのようなファン化、信者化(潜在顧客 > 見込み客 > 新規顧客 > リピーター > 贔屓客 > ファン > 信者)
- 顧客満足がブランドを創る
- 十勝マンゴー(真冬にマンゴーを食べるという新しい顧客を生み出せたらそれはイノベーション)
- 企業の目的は顧客の創造
- 顧客開発は会社全体の仕事
- 3Dテレビは目的が手段になっていたから失敗した
- 価格戦略が間違っている、一個150円とは思えない味のプリン
- 400個売れるプリンが200個しか売れないとしたら大きな機会損失
- 安いから買う人、おいしいから買う人は別
- コストは事実、価格は戦略
- 弱者の戦い方は局地戦、得意技、接近戦(セブン)
- 強者の戦い方は広域戦、総合力、遠隔戦(イオン)
- 岸先生の弟の将棋道場の立て直し
バリュープロポジションのベン図がとにかく大事だなあということでこれだけでも読んだ甲斐がありました。いや「そんなの当たり前だろう」という声が聞こえてきそうですが、現場ではベン図を無視した意思決定だったり、それは自社が提供できるのものなんですか?とか、どのお客さんが喜んでくれるんだろう?とか、ライバルが提供してるものの劣化版を提供しようとしていたり、というようなことはどこの現場でもよくある話だと思います。徹底的にお客さんの立場で考え抜かなければならない。コモディティ化した商材を扱っていてマーケティングについて興味がある人はぜひぜひ一度読んでみてください。30分で読めます。